【生命保険②】

前回に続き、生命保険の会計税務的な側面を検討していきます。

 

まず、3つ目の節税の機能から検討していきますが、要は出口戦略を本当に考えていますか、ということです。生命保険は払ったときに経費になりますが解約したときには逆に利益になります。解約して利益が出た期に経営者が退職し、退職金を払うことで利益を相殺する、退職した経営者は退職金でもらうので所得税も少なくて済む、というストーリーが一般的な出口戦略になります。ただ、本当にこの通りにいく法人はかなり少ないのでは無いでしょうか。退職時期を予想することもそうですが、退職をするまでの何十年かの間、資金難に陥ることなく保険料を払い続けれる会社は少なく、資金繰りが悪くなったらまず見直されるのは保険料となります。途中で解約したり、退職金とぶつけられなければ節税効果は得られません。

 

次に貯蓄・利殖の機能ですが、まず解約返戻率には単純返戻率と実質返戻率があります。このとき実質返戻率というのは税効果を考慮した数値となりまして、この時点で先程説明した3つ目の節税の機能と話しが混在しているわけです。ですので、純粋に貯蓄・利殖の機能をみるには単純返戻率で検討する必要があります。単純返戻率ですと100%を超えるものがそもそも少なく、払った保険料以上の返戻金があります、という当初のセールストークは先ほどの節税効果を最大限享受したときに初めてその通りとなります。ただ、単純返戻率が80%ほどであっても払った保険料がある程度戻ってくれば十分だ、という考えもあるかと思います。確かに満期まで保障を受けながら最後に保険料が戻ってくるというのは中々美味しい話のように思えます。しかしここで考え方を変えて、保険料が戻ってくる終身保険に入るのではなく、掛け捨ての定期保険に加入しながら安くなった保険料分を投資すると考えてみてください。投資というとリスクを考えがちですが、例えば米国債のようなかなり小さなリスクで2、3%ほどで運用できる商品があります。為替リスクは中立なので考慮しない前提で、20年間毎年積立の複利運用で121%となります。掛け捨ての保険料は終身保険の保険料と比べてかなり安いので、この方法であれば単純返戻率が80%である終身保険以上の返戻率が見込めます。

 

最後に保障の機能です。これは保険本来の機能であり、これを目的に加入することは自分も賛成です。何か起こってもやり直しが効く、というのは保険の素晴らしい機能だと思います。ただ、終身保険だけでなく掛け捨ての保険もあるわけで、保険の機能としては同じです。ここで、将来戻ってくるから終身保険だと決めつけるのではなく、掛け捨てにして余った資金を運用するという考えができればより適切な選択ができると思います。

 

生命保険はこの3つの機能が詰まっているため、合理的な判断がしづらい商品です。生命保険を検討する際はご自身で3つの機能の視点で検討してみるといいかと思います。

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