(サブリース契約)

サラリーマンでワンルームマンションに投資するというのは昔から一般的なお話しです。また、時々ワンルームマンション投資の営業電話が携帯にかかってきたりもします。ワンルームマンション投資はサブリース契約が組まれていて家賃保証するという契約が多いですが、このサブリース契約が本当にお得なのか検討してみたいと思います。

 

サブリース契約付き不動産投資会社の資料を見ると、元手は不要で手元資金ゼロから始められるとのことです。そして、家賃保証として近隣の相場の80~90%を保証するということです。物件を購入した方は毎月保証された入金から月々の管理費、修繕積立金、また借入の返済をします。さらに固定資産税を支払うと、おおよそ毎年のキャッシュフローはプラスマイナスゼロくらいとなります。ただ、初年度は登記費用などの諸費用が発生しますし、翌年度は不動産取得税が発生します。また、毎年不動産事業から支出が発生します。これらを経費に算入できますので毎年の不動産所得はマイナスとなり、勤めている会社から安定的にもらえる給与所得とマイナスの不動産所得を相殺することで所得税の節税となります。節税効果を加味すると毎年実質的にプラスとなる、というストーリーです。

 

普段は時間に追われていてなかなか時間が取れないであったり、元手が無いといった方をくすぐるような設計になっていますが、本当にお得なのでしょうか。まず、サブリースに限らず不動産投資全般にいえることですが、最終的に売却することまでを考慮しているかという点が重要になります。10年以上先のことなのでいくらで売れるのかは誰にもわからないのですが、その時に売却益が出れば課税されて税金を払うことになります。そうなると節税効果も薄れてくるわけですが、売却のことについて触れられていないことがほとんどです。この点、生命保険を使った節税も同じことがいえ、法人契約で満期時に解約益が出れば課税されることとなります。ところが生命保険のパンフレットでもそのことについて触れられていません。出口戦略が無い場合には毎年の節税効果が全て吹き飛ぶこととなります。

 

次にサブリースの細かな契約を見ていくと、家賃を数年毎(多くは2年)に見直す条項が基本的についています。また、業者側からもサブリース契約を解除できるようになっています。このような条項は平時の際は問題無いのですが、いざ家賃相場が下がり始め、入居率も下がってくると問題になってくることがあります。業者側に立つとよくわかるのですが、普段はたまに空室になることはあっても平均的な空室率であれば赤字になることはなく、ローリスク・ローリターンです。ここから全体の家賃相場が下がり始めた場合、そのことを理由に家賃保証の金額をまず減額します。そして、さらに空室が目立ってきた場合にはサブリース契約を解除すればいいわけです。実際にそうなるかどうかは別として、それができる契約になっているわけで、投資する側としてはかなり不利な契約かと思います。家賃保証をうたえば、将来人気の無くなりそうな場所のワンルームマンションでも売れやすくなります。サブリース自体で儲けるためではなく、人気のないワンルームマンションを売るためにサブリースを利用したりもできるわけです。少し前に問題になったかぼちゃの馬車では請負工事業者から50%ものキックバックを受け取っていたようで、販売する時点で利益のほとんどが出る仕組みになっていたようです。

 

サブリース契約は今では一般的なことになっていて、実際に契約書をみれば内容は全て記載してあり、決して怪しい契約であったり、信用できない業者ではありません。また、普段忙しくて不動産の管理や入居状況などかまっていられないような場合には、全て対応してくれてそのうえ80~90%の家賃をもらえるというのはとてもいい仕組みだと思います。ただ、投資する側としてサブリース契約とはどのような契約なのか、もう少し理解する必要があるように思います。平時の際は全く問題なく、投資家側も業者側もウィンウインなのですが、いざ入居率が下がったときにどうなるのか。理解していれば後から騙されたということは少なくなるのではないでしょうか。

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