ハーバード・ビジネス・スクール ファイナンス講座

何かのチラシで見て、表紙にインパクトがあったので買って読んでみたところ、全体的に良い感想を持ったので紹介しよと思います。ファイナンスの教科書的な位置づけの本ではありますが、ゼロから教えているというよりはある程度用語などを知っている人にその知識をどういう場面でどのように使うか、ということに力を入れて書かれているので、ファイナンスが全くの初心者だと少し難しいかもしれません。

 

全体的に話し言葉を用いて講義をしている雰囲気で書かれているため、サクサクと読み進めます。特にいいと感じたのは、ケーススタディで出てくる企業が新しいことです。少し古いファイナンスの本だと、内容は良くても事例として出てくる企業がGE、コカ・コーラ、AT&Tのように当時最先端だった企業が多いです。これはこれでいいのですが、少しイメージしにくいので、現代だとGAFAを始めとしたネット企業をとりあげてほしいところです。この本ではアマゾン、ネットフリックス、アップル、ナイキなど教科書的な本にはあまり出てこない企業がとりあげられています。また、数値も2018年の分までありますので、新鮮な知識を得ることができます。

 

2章ではアマゾンを例にして、フリーキャッシュフローの指標がトレンドになっている流れを説明しています。アマゾンは投資額がとても大きいため毎年の減価償却費も大きく、その結果PLの純利益はとても小さいかマイナスになっています。この場合、これまで通りPLの利益を見ていただけでは評価ができません。さらに、取引先に対する力も強いため、売上の回収は即日に、支払いは遅らせることでキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)がマイナスの状態を保っています。これは資金繰りがいいといったレベルではなく、取引先の資金を銀行借入れのように使って、資金繰りを回している状態です。そして、CCCも考慮するためにはEBITDAでは評価できず、フリーキャッシュフローで評価する必要があるという流れで説明しています。また、フリーキャッシュフローと営業キャッシュフローの違い・使い方をアマゾンとネットフリックスの事例で説明しており、非常に興味深い内容になっています。

 

ファイナンス理論は数学としてきれいにまとまっているので、理論を覚えるのはそこまで難しくないですが、それを使いこなすとなるとなかなか大変です。そんなときに事例が豊富なハーバード・ビジネス・スクール ファイナンス講座は役立つと思います。

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