キッズガーデンの上場

最近IPOをした会社を調べていたら面白い会社を見つけました。株式会社キッズスマイルホールディングスという会社でキッズガーデンというブランドの保育園を運営しています。これまでに50校近く開園しており、そのかなりの数が東京の23区内にあります。保育園=学校法人=非営利という固定観念を覆して、株式会社としてさらに上場までしていることに興味を持ち、有価証券届出書を読んでみました。

 

まず損益計算書が変わった形をしていまして、営業利益が恒常的にマイナスですが当期純利益はプラスとなっています。これは補助金の影響でして、学校法人と同様に学費だけでは運営費用が賄えないため補助金でカバーされて始めてビジネスとなる業態です。会計上は補助金の支給決定がされた日に売上計上となりますが、決定された日から補助金が入金されるまで期間があるため、期末にかなり大きな未収金が計上されていることが貸借対照表でもわかります。

 

また、この会社は毎年新規開園をしていくので多額の設備費用がかかります。その際に、都道府県から新規開園の補助金がもらえるのですが、そのままだと補助金に法人税がかかってしまいます。ですので、税金の支払いを遅らせるために固定資産の圧縮という方法をとります。そのときに税効果会計により繰延税金負債を計上することになり、貸借対照表の負債に繰延税金負債が多額に計上されています。ちなみに学校法人であれば法人税はほとんど発生しませんが、この会社は株式会社のため利益に法人税がかかってきます。

 

さらに驚いたのは社長が借入金の債務保証をしており、その金額が40億弱もあることです。実績の無い中小企業では銀行借入にあたり社長が個人保証をするのは一般的ですが、上場するということは特定の個人に依存せず社会の公器になることなので、基本的に上場時に個人保証が外されるものだと思っていました。

 

補助金をもらったあとの税引き後の利益は11億円あり、利益率が16%もあります。最初に園児の数が決まってしまえば1年間それほど変動はないため、年間の売上も安定しています。また、保育園数も足りていないので、まだまだ新規開園して売上も増えそうです。しかし、現時点で時価総額は60億程度、PERは4.7倍とかなり低い水準です。安定はしているものの爆発的な伸びが期待できないため低く評価されているのでしょうか。

 

上場会社の宿命上、これから規模を追求していき次々に新規開園していくのだと思います。はじめにも書きましたが、非営利の性質を持つ学校という業態と、利益を追求する上場企業という相反する特徴を有しているこの会社がこの先どうなるのか、注目してみたいと思います。

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