従業員持株会2

前回記載したように、従業員持株会は従業員の福利厚生と節税を目的にしています。節税に関係しているため、従業員持株会を設計するにあたっては税務署から指摘を受けないように工夫されており、どの会社もおよそ同じような形態になっています。

 

まず、株式の種類を議決権制限かつ配当優先株式にすることが多いです。目的が福利厚生なので配当を厚くする必要がありますし、福利厚生に会社の支配権は不要なので議決権を制限したものを持株会に渡します。また、そうすることで支配権が分散することを防ぐことができます。

 

株の価格について、従業員持株会がオーナーから買い取る際の価格は前回の通り安い価格でよいのですが、従業員が持株会から退会した際にいくらで買い戻されるかという問題があります。これについては持株会が取得した際に評価した方法でよい、というのが通説となっています。上場会社であれば株式市場の時価で売買すればいいのですがが、非上場会社では問題となる論点でして裁判で何度か争われています。

 

運営においては持株会の規約を定めて理事長を専任し、会員総会を行うといった流れがあります。毎年配当を受領し、新規会員の入会や退会の手続きも必要となります。注意しなければこれらのメンテナンスを怠り税務上否認を受けることです。持株会はただでさえ実態が見えにくく、書面上のやりとりに終始しています。そのため加入しているはずの従業員でさえ従業員持株会の存在を知らない、といったことがあると税務否認の可能性も高くなります。

 

非上場会社で従業員持株会を設置している会社は未上場版の四季報を集計すると実に4割にものぼるようです。未上場版の四季報に掲載されるのはそれなりに大きな会社ですので、株価も高くて節税のニーズが高いのでしょう。それだけに税務否認された場合の影響がとても大きいので、慎重に取り入れる必要があります。

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